引越しのトラブル対策
期間満了で立ち退きを要求されたら引越し費用を大家に請求できる?

この記事で解決すること
- 契約終了で立ち退きの際、引越し費用等の立退料請求が可能。
- 立退料は交渉で決まり、大家は裁判なしに強制できない。
- 立ち退き拒否は契約更新通知と大家の正当事由が必要。
- 区画整理での立ち退きには行政から補償金が受け取れることも。
- 引越しでの部屋破損は原状回復が必要だが、経年劣化は除外されることも。
契約期間満了で大家から立ち退きを請求されてしまった入居者へ向けて、「大家に対して引越し業者の手配や、新居の契約費用などを請求することは可能か?」ということを解説していきます。
監修者:弁護士 長野修一/長野法律事務所1985年浜松市生まれ。2012年~都内の中小企業専門の法律事務所に勤務後、2014年~クックパッド株式会社の社内弁護士として、コーポレートガバナンス、新規ビジネス開発の法務、M&A、経営権争いなど上場企業法務に携わる。2017年~父親が代表を務める長野法律事務所で弁護士として浜松に戻る。ベンチャー企業を初め約50社の顧問先を持ち、「紛争・事故を減らすことで、不安を解消し、前向きになれる人を増やす」をビジョンに積極的にリスクマネジメントに取り組む。
目次
立ち退きを要求されたら、大家に引越し費用を請求できますか?

大家、もしくは管理会社から立ち退き要求で引越しをしなければならなくなった場合、契約期間が満了していても、「立退料」という形で引越し費用や新居の契約費用を払って欲しい、と請求することができる可能性があります。
ただし、「大家都合で退去を促す際は必ず立ち退き料を払わなければならない」「○○代で■万円を用意しなければならない」といった法律や定めがあるわけではなく、立退料の相場はあくまででも交渉によるものでケースバイケースです。
立ち退きを依頼する際に、大家が一方的な主張を通すのではなく、入居者の状況にも配慮して歩み寄った交渉の結果、立退料の金額が決まります。
立退料で交渉が成立しなければ、大家は調停や裁判を起こさなければ立退きをさせることはできません。
大家からの立ち退き請求を拒否することはできるのですか?

立退きが認められるためには、賃貸借契約期間満了の1年から6か月前までに、借主に対して契約を「更新しない旨の通知」もしくは「条件を変更しなければ更新しない旨の通知」を行わなければならず、これを行わない限り、いまの契約と同条件で契約更新したものとみなされます。加えて、大家側には立ち退きを請求するための「正当事由」の用意も必要です。
この正当事由は、「大家と賃借人双方の使用の必要性」を主たる判断基準とした上で、「従前の経過」「建物の利用状況」「建物の現況」、そして立退料の金額を総合的に考慮して決定されます。
<立ち退き請求の正当事由として考慮される要素>
- 建物が老朽化しているため、入居者を排して補修工事の実施をしたい
- 大家が自身で居住するためにどうしてもその建物が必要になった
- 大家が商売のための店舗として建物を使う必要が出てきた
逆に、正当事由がない立退き請求があった場合、借主はその請求を拒否することができます。
その場合、大家は調停や裁判を提起し、立退料を支払うから明け渡すよう請求することが多いです。
この時立退料の金額の多寡が、他の要素との兼ね合いで争われます。
以上の通り、建物賃貸借の場合、契約書に書かれている契約期間が満了したからといって、必ずしも退去する必要はありません。
大家に「正当事由」があるかどうかは、様々な要素で決まりますが、立退料は判断の大きな要素となります。
借主としては、出て行くと判断した場合には、自分たちが賃借を続ける必要性を主張し、適正な立退料を支払ってもらうことができます。
区画整理で立ち退きを要求された場合、行政などに引越し費用を請求できますか?

区画整理による立ち退きに対しては、行政があらかじめ支払う補償金について規定を設けているケースが多いと言えます。
例えば、東京都都市整備局では、「東京都土地区画整理事業損失補償基準」に基づいて、立ち退きを要求された側が所定の申告書を提出することで局が調査を実施し、実態調査に基づいた妥当な金額を補償金として支給すると定められています。
■ 補償の内容
権利者別 | 建物所有者 | (注1)占有者 | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
建物移転料 | 曳家又は再築等の工法により、仮換地に移転していただくための費用です。 | 占有者が増築した部分については、建物所有者に準じて算定します。ただし、その部分の補償にあたっては、建物所有者との合意が必要です。 | |||||||
工作物移転料 | 門、塀などの構築物や電話、機械設備などの移転に要する費用です。 | 同左 | |||||||
竹木土石等 | 樹木の移植費若しくは伐採費及び庭石などの移転に要する費用です。 | 同左 | |||||||
動産移転料 | 家財道具など建物内外にある動産の運搬に要する費用です。 | 同左 | |||||||
仮住居補償 | 建物を移転する期間中の仮住まいに要する費用です。 | 同左 | |||||||
借家人補償 | - | 同等の建物の賃借りに要する費用の補償です。賃借りの継続が著しく困難な場合に適用します。 | |||||||
家賃減収補償 | 移転期間中、賃貸料を得ることができないための減収分の補償です。ただし、アパート業等の場合は営業補償の扱いとなります。 | - | |||||||
移転雑費 | 建築確認申請など法令上の手続きに要する費用やその他移転に係る費用です。 | 同左 | |||||||
営 | 休止 | 営業を休止するための補償です。 | 同左 | ||||||
仮営業所設 | 営業の実態等により休業ができない場合、営業を継続していただくための補償です。仮営業所の設置又は借入に要する費用があります。ただし、この期間、休止補償はありません。 | 同左 | |||||||
農業補償 | 移転期間中、農業を休止したときの収益減の補償です。 | (注2)同左 | |||||||
(注1)占有者とは、建物等を賃借りして居住又は営業している方をいいます。
(注2)農業補償の項目における占有者とは、小作権者等をいいます。
引用:補償に関すること/土地区画整理事業における移転・補償について | 東京都都市整備局
そのため、立ち退きにあたって引越し費用を行政が負担すべきだと判断されれば、引越し代を請求することが可能だと考えられます。
立ち退く場合は引越し作業で部屋を破損しても原状回復の義務はありませんか?

立ち退きの場合であっても、退去場所の原状回復を行うのは賃借人(入居者)の義務となります。
したがって、引越し作業に伴って物件を破損してしまった場合は、原状回復義務の対象となると考えられます。
例えば、引越し作業中に家具で床を傷つけてしまった場合などは賃借人の故意による破損となるため、賃借人の負担で原状回復を行わなければなりません。
しかし、一般的な退去時の考え方と同様に、経年劣化による壁紙の色あせや家具の設置による自然な床の凹みなどに関しては、賃借人の過失とはみなされず、原状回復義務の対象外となる可能性があります。
まとめ
立ち退きを要求された際の引っ越し費用について、お伝えした内容は以下のとおりです。
- 「立退料」は請求できる可能性がある
- ただし立退料の金額は、法律や定めがあるわけではないので、交渉によって決まる
- 立退料が成立しなければ、大家は調停や裁判を起こさない限り立退きをさせることはできない
- 大家側に「正当事由」がない場合、借主は立ち退きを拒否することができる
- 区画整理による立退きの場合は、行政から補償金が出ることがある
- ただし、補償金をもらうためには、申請書の提出や実態調査などが必要な場合がある
- 立ち退きによる引越しでも、借りていた部屋の原状回復は必要
監修者:弁護士 長野修一/長野法律事務所1985年浜松市生まれ。2012年~都内の中小企業専門の法律事務所に勤務後、2014年~クックパッド株式会社の社内弁護士として、コーポレートガバナンス、新規ビジネス開発の法務、M&A、経営権争いなど上場企業法務に携わる。2017年~父親が代表を務める長野法律事務所で弁護士として浜松に戻る。ベンチャー企業を初め約50社の顧問先を持ち、「紛争・事故を減らすことで、不安を解消し、前向きになれる人を増やす」をビジョンに積極的にリスクマネジメントに取り組む。
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