引越しなんでも大調査
引っ越しに117万円!?2025年繁忙期の引越し料金高騰の原因とは

引越しの需要は、2月下旬ごろから4月上旬にかけて集中します。
そのため、この時期は引越しの繁忙期。特に、3月下旬は「最繁忙期」と呼ばれ、引越し業者が最も忙しく、引越し料金が最も値上がりする時期でもあります。
特に2025年の春は、「運送業界の2024年問題」以降、初めての繁忙期。
需要の集中もあいまって、引越し価格の高騰が危惧され、2月12日には国土交通省から「引越時期の分散に御協力をお願いします」という呼びかけを行いました。
しかし、3月に引越しを控えているのは、就職や進学、転勤など、どうしても引越し時期がずらせない人ばかり。
そこで引越し侍では、実際に100万円以上の引っ越し見積もりを出された引越しユーザーに、今年の繁忙期の引っ越しについて伺いました。
また、本当に2025年の3月は引越し料金が高騰しているのか?なぜ高騰しているのか?を探るべく、独自で調査を行った結果もご紹介します。
見積もり金額117万円!高額引越しの理由は?
今回お話をお伺いしたのは、SNSなどで活躍するエンジニアの「ちょまど」さん。
2月末に取った引越しの見積もりが100万円を超えたことで、Xで話題となりました。

繁忙期の引越し代
— ちょまど@育休中エンジニア (@chomado) February 25, 2025
高いよおおお😭
2LDK (そんなに広くない)、
同じ区内(車で15分)の引越しで
_人人人人人_
> 117万円 <
 ̄Y^Y^Y^Y^ ̄
↓ 見積り書 pic.twitter.com/op6RO96duX

引越し侍
今回は、どのような引っ越しをする予定ですか?
3月末に、今の家から車で15分くらいのマンションへ引越しをする予定です。子どもが4月1日から保育園に入園しますので、その保育園の近くに住もうと思いまして。
今の家は50平米の2LDKで、荷物量も普通です。
どちらにもエレベーターがついていて、部屋も高層階ではありません。
ただ、マンションの規定で作業できる時間が決まっていたので時間指定をしたのと、小さい子どもがいるので荷造りはお願いしました。

ちょまど

引越し侍
その条件で、100万円以上の見積もりが出たんですか?
見積もりを見たとき、一瞬「11.7万」だと思ったんです。でもよく見たら「117万円」でした。文字通り「桁違い」というか。

ちょまど

そして 117万円だと認識した時、正直ぼったくりに遭ったのかと思いました。でも、その後にいらっしゃった2社の見積もりも、どちらもだいたい100万円前後の見積もり金額だったので「そうか、繁忙期は相場自体がこんなに高いんだ…」と思い直しました。
前回この家に引越してきたのは、だいたい1年半前。閑散期でしたが、荷物量も条件もさほど変わらない引越しで、15万円で引越しができたんです。
3月は引越しの繁忙期なので、高くなるというのは知ってはいたのですが、高いと言っても、2倍か3倍くらいだろうと思っていました。最高45万くらいかなぁと。
それが、実際の見積もりは軽く100万円を超えてきたので、愕然としました。支払えない…引越し不可能だ…絶望…みたいな。
来月なら半額くらいにはなる、と言ってくれた業者さんもありましたが、それでも半額にしかならないんだ…と思いましたね。50万円でも十分高すぎる金額だと思ったので…。

ちょまど

引越し侍
なんでこんなに高額の見積もりが出されたんでしょう?
引越し業者さんに言われたのは
・その希望日は大人気で、既に予約がいっぱいだからそもそも対応できない
・時間が限定されているので、トラックの台数や作業員の人数を増やさなければならず、その費用がかかる
ということでした。
2月の保育園合否発表を待ってから部屋探しを始めて、部屋が確定したのは2月最終週。確定したその日のうちに急いで引越し業者に連絡しました。
保育園と引越し先の決定後は 可能な範囲で素早く動いたつもりでしたが、結局もう2月末になっていたので、希望日まで一応まだ1ヶ月以上あるのに完全に手遅れだったということがわかりました。
早い人だと、引越し先がまだ決まっていない時点でも、3月の見積もりを1月には取ってしまうんだとか…。

ちょまど

引越し侍
希望日の申込みが多すぎてそもそも予約が取れない、というのはよく聞く落とし穴ですね。
希望日をずらすことはできない状況だったんでしょうか?
希望日をずらすといった対策も、考えないわけではなかったです。
でも、昨今の物価高の煽りを受けて、家賃相場も高騰中。
なかなか新居の物件も見つからず、やっと決まった物件だったので、選び直しになるのは避けたかったんです。
また旧居の退去日も、最初に連絡した日にちから変えることはできない、と言われてしまいました。
4月4日までならなんとかなるかも…と言われたので引越し業者にそれも伝えたんですが、その程度の延期だと下がっても2~3万円程度と言われてしまって…。
そうなるともう、それ以上後にずらすことは現実的ではないかな、と思いました。

ちょまど

引越し侍
確かに、無理して日にちをずらしても2~3万円しか変わらないとなると、あまりずらす意味がないように感じてしまいますね…
その後はどうされたんですか?
さすがに100万円前後の引越し料金を払うことはできません。
なので、どうにか安く引っ越しをしてくれるところはないかと探し回って、何十件も見積もりの依頼をしました。
でも、既に埋まっているとか、その金額以下ではできないだとかで、そもそも見積もりすらできない、という業者さんも多くて、見積もりを取るだけでもめちゃくちゃ大変。依頼をしたうちの半分くらいしか見積もりが取れなかったです。
結局、いろいろ検討したうえで、前回依頼した業者さんに「リピーター割」を付けてもらって、1社目に言われた値段の半額以下で請け負ってもらうことができました。

ちょまど

引越し侍
半額以下になったのはすごい!粘り勝ちですね
安くするために、業者を探す以外にできることは何かありましたか?
色々考えたのですが、正直できることはほとんどありませんでした。
今住んでいるマンションの退去の日程や新居の入居スケジュール、保育園の入園などもあり、どうしても時期をずらすという選択はできません。
また、小さい子どもを抱えて自分で荷造りや荷運びをすることも現実的ではありません。
赤帽や「らくらく家財宅急便」も、家族の引っ越しには対応していなかったり、梱包や荷造りは自分でしなければいけなかったりと、私たちでは利用できなかったんです。
唯一、便利屋さんなどに依頼できるサイトの利用はしてみたんですが、関西の業者さんで訪問見積もり無しで20万円程度の見積もりを出してきて、安すぎて逆に怖かったので頼むことができませんでした…。
単身の引っ越しなら安くする方法はもっとあったのだとは思いますが、家族の引っ越しで安くする方法を探すのは難しいなと感じましたね。

ちょまど

引越し侍
今後、同じような状況で引っ越しをする方に向けて、何かアドバイスなどはありますか?
とにかく3月の引っ越しはダメ!ですね(笑)
わたしも、もしも時間が巻き戻せるなら、5月のゴールデンウィーク明けくらいまで引っ越しを延ばしたと思います。たとえ物件を選び直しになっても、幼稚園の送り迎えが多少大変になってでも…。
万が一3月の引っ越しになっても、少しでも早めに見積もりを取る事ですね。
実は、引っ越し先の住所はしっかり決まっていなくても見積もりは取れるみたいなんです。だいたいの住所がわかれば、それだけでも見積もりを取って申込みまでできる業者さんもあるみたいで、そういう業者さんに1月末くらいから連絡してみるのがいいと思います。
もう本当にどうしても、時期もずらせないし急な引っ越しをしなければならなくて手遅れになってしまった場合は、とにかくたくさんの業者さんに見積もりを依頼するしかないかなと思いました。今回のわたしみたいに、探せばどこかに安く引っ越しをしてくれる業者さんがいるかもしれないです。
また、相見積もり(複数の業者から見積もりを集めること)は大切だと思いました。私は交渉がとても苦手なのですが、引っ越し屋さんが訪問見積もりにいらした時に「今、何社目の見積もりですか?」「今の最安値はおいくらくらいですか?」って聞いてくれることが多くて、自然と交渉になるような会話ができたので助かりました。

ちょまど
引越し業者に聞いた!100万円超の見積もり金額は妥当なのか?
今回のちょまどさんのような高額な見積もり料金は、他の引越し業者から見ると実際にはどうなのでしょうか?
引越し侍と提携している引越し業者「人力引越社」の鈴木さんに、今回の見積もりについて聞いてみました。

引越し侍
実際、今回のちょまどさんのお引越しの条件で、100万円以上の見積もり料金が出るのはよくある事なんでしょうか?
通常、適正価格は繁忙期で50~80万円、通常期で20~50万円程度と考えられます。
ただし、今回のお引っ越しは繁忙期ということに加えて、作業員の人数が増えるということでしたので、100万円ほどの見積もり価格は相場的にはあり得る範囲だと思います。
また、近年の「2024年問題」や物価高の影響で、人件費や資材費(ダンボール・梱包材・燃料費)も高騰しているので、特に繁忙期は今後も高騰する可能性はあります。

人力引越社

引越し侍
インタビューの中で「もっと早く見積もりを取っていれば」という話題がありましたが、実際に同じ日の引越しでも早く見積もりを取ることで安くなることはあるんでしょうか?
はい、可能性はあります。一般的に、3月~4月の繁忙期は需要が高まるため、料金も高くなりやすいのですが、1月末ごろに予約をしていれば、空き状況によっては早割などが適用され、10~30%程度安くなることがあります。2月末ではもう繁忙期の「直前」となってしまい、予約の埋まり具合によっては必ずしも安くなるとはいえない時期だと思います。

人力引越社

引越し侍
では例えば、同じ条件の引越しで閑散期に引越しをした場合、どのくらいの見積もり料金になることが予想されますか?
例えば5月末ごろまで引越し時期を延ばせた場合、閑散期に入っているため、平日であれば20~50万円程度が目安となります。ただし、閑散期でも土日や大安など、需要が高まって「混みやすい日」は割引率が低くなる可能性があります。

人力引越社

引越し侍
今回のちょまどさんのお引越しでは、「時期をずらす」という選択ができませんでした。こうしたユーザーは多いと思うのですが、引越し業者目線で「時期をずらす」以外に安く引越しができる工夫は何かありますか?
いくつか方法はあると思います。簡単に紹介すると、以下のような方法です。

人力引越社
- 荷物量を減らす(不要な家具・家電の処分や買取サービスの利用)
- 作業内容を減らす(荷造りサービスなし、もしくは部分的に利用)
- フリー便を利用する(時間指定なしのプラン)
- 平日や午後便を選択する(午前便より割安)
- 小さいトラックで往復する(大きなトラックより安くなる場合あり)
- 人員削減(作業時間が延びてもよい場合は、作業員の人数を減らす)

引越し侍
ありがとうございます。
時間に融通を利かせると、安くなる可能性が広がるようですね。
今回のちょまどさんのお引っ越しでは、引越し時間が限定されていたので難しい方法が多いですが、今後繁忙期のお引っ越しを検討されている方は、例えばお部屋選びをするときに搬入時間に制限のないマンションにするなどの対策で、少しでも安くなる可能性があるので、ぜひ参考にしてみてください!
最繁忙期・3月の引越し料金はどのくらい高い?
ちょまどさんの見積もりは100万円を超えるものがありましたが、では一般的にはどのくらいの金額感になるものなのでしょうか?
引越し侍を利用したユーザーに引越し料金を尋ねたところ、通常月(5月~1月)では約6万円~約10万円なのに対し、3月は約10万円~約18万円と、約1.8倍に平均料金が上昇することがわかりました。

また、平均料金は毎年値上がりする傾向があるので、3月は常に平均料金の最高額を更新していくことになります。
さらに、3月の中でも上旬は約7万円~約12万円と、通常月からやや高い程度なのに対し、中旬では約10万円~約18万円、下旬では13万円~23万円と上昇。
3月下旬の料金は、通常月に比べて、約2.2倍にまで値上がりします。
ちょまどさんの希望した、3月末の引越しは1年の中でもトップクラスに料金が高い時期だということがわかります。
3月の時期ごとの引越し料金の平均
家族 | 単身 | |
|---|---|---|
上旬 | 121,285円 | 74,221円 |
中旬 | 182,389円 | 99,186円 |
下旬 | 230,508円 | 130,091円 |

2025年の引っ越し料金が高くなる理由
ではなぜ100万円を超えるような金額が提示されてしまったのでしょうか?
2025年は特に料金が値上がりする原因のひとつに、「運送業界の2024年問題」があります。
2024年問題とは、運送業の長時間勤務を規制する法改正によって起こる、運送・物流業界の諸問題のことです。
特に引越しでは、これによる人件費の高騰、人手不足、長距離引越しの料金高騰・予約枠の減少などが懸念されていました。
2025年の3月は、この2024年問題から初めての繁忙期となることから、料金高騰や予約の取りにくさなどが、今までより感じやすくなっているのではないかと考えられます。
引越し業界の2024年問題について詳しく見る
2025年の繁忙期について、事前に引越し業者にアンケートを取っていた結果をご紹介します。

2025年の繁忙期には、実に8割以上の引越し業者が「影響を受ける」と予想しています。
そもそも2024年以前から「2024年問題」に対して備えていた引越し業者も多く、そのため「中程度の影響」という回答が最も多くなったものだと考えられます。
では、実際にどのような影響があると引越し業者は考えているのでしょうか。

2024年問題による影響として最も多かったのが、「人手不足の深刻化」でした。
作業員やドライバーが減少することにより人件費が高くなり、結果として引越し料金の上昇に繋がることは、想像に難くありません。
また、対応件数が減少するということは、需要が高まる3月の特に下旬の予約が取りにくくなり、1ヶ月前に見積もりを依頼しても、そもそも見積もりを取ってもらうことすらできない、という状況が起きやすくなります。
まさに、ちょまどさんがインタビューでおっしゃっていたとおりです。
また、具体的にどのような引越しが難しくなりそうか尋ねたところ、勤務時間が長くなる傾向がある「長距離引越し」や「家族の引っ越し」といった回答が多くなる傾向がありました。

引越し業界が抱える問題と解決の糸口を探る
年々高額になる引越し料金ですが、ただ引越し業者側が儲けようとしている、というわけではありません。
原因のひとつとして、引越し業界は定価がないため価格交渉が常態化していることから、そもそも安すぎる価格で引越しを請け負うしかなかったという業界全体の問題があります。
そこに、2024年問題によって人件費や採用費が高くなったことに加え、昨今の物価高で燃料費・資材費などの高騰も相まって、今までと同じ料金で引越しを請け負うことが難しくなった結果、引越し料金を上げざるを得なくなったのです。
こうした問題を解決するためには、国土交通省が再三呼び掛けているとおり「引越し時期の分散」が不可欠です。
需要が短期間に集中することを防ぐことで、人材やトラックの確保の難易度が下がり、極端に高額な引越しを減らすことに繋がります。
また、ちょまどさんのように、大手だけでなく地域密着型の引越し業者にも目を向けることも大切です。
広く様々な業者に需要が分散することで、予約枠の取り合いになりにくく、極端な金額上昇を防ぐことができます。
引越し侍は、引越し時期分散の啓蒙や、様々な引越し業者をご紹介することにより、引越し業界における繁忙期の諸問題解決と、業界全体のさらなる発展に向けて尽力してまいります。